みなさま、おはようございます。
九州大学の医療経営・管理学専攻では、診療と時間に関する研究をしています。
上司から期限付きで仕事を頼まれたとき、頑張れば30分で終わりそうなのですが、1時間後と答えた経験ってありませんか?
なにより私がそうだったのですが、時間を守れずに怒られるよりは予め余裕を持っておこう…と考えたり、仕事を完璧にしなければ!という責任感があって、30分の余裕時間を持って答えているのではないでしょうか。
左図は仕事と経過時間の関係をイメージした図です。
会社全体の立場からいえば、「50%の確率で仕事が完了する時間」を目安に業務を組めれば、時間のロスが無くて効率的です。
ですが、前述のような考えから、しらずしらずのうちに「90%の確率で仕事が完了する時間」を基準に業務が組まれているかもしれません。
この現象をクリニックで考えるとどうでしょうか。
いくつかの仕事が連なって、1患者の診療を構成しています。
もしかしたら、それぞれの仕事には、個々人の判断による余裕時間が隠れているのかもしれません。
そこで、下のようにやってみたらどうでしょう。
それぞれの仕事から、組み込まれた余裕時間を取り出し、一つに集めます。
そして、その一部を一連の診療業務で共有する余裕時間とし、残りを余剰として削減します。
結果として、全体の仕事時間、すなわち患者滞在時間が短縮されるんじゃないかと予測しています。
導入にあたって肝心なことは、正当なデータに基づいて従業員を評価することです。
目標時間を守れなかったからといって怒らない、声の大きな人に引っ張られて仕事ぶりを評価せず、定量的な数値で仕事ぶりを評価することだと思います。みんなで余裕時間を共有しようとする一体感を出てきたら成功ではないかと期待しています。
一つ一つの仕事の標準化と目標時間設定なども、とても大事ですね。
いまは情報をキチンと記録するためのシステムを作ってます。
これが終われば、テストでしょうか。まだまだ先は長いです。
ヒトに関するストレスは多いですが、少しでも軽減するようなお手伝いができればいいと思っています。