みなさま、おはようございます。
久々の雨ですね。過ごしやすくて何よりです。
週末は監査法人の同期会、大学時代の先輩と食事がありました。
それぞれの場所でみなさん頑張っていて、良い刺激になりました。
高級車
今回は高級車についてのお話しです。
事業の一環で車を購入することはよくある話ですが、それが高級車だった場合、税務的にはどうなのでしょうか。
規制
一般事業会社で、支店巡回等のために購入した社用車(フェラーリ)が経費として認められるのかどうか、争点となった判例があります。
当時案では、結果的に経費とされたわけですが、以下の点から、事業で使われているものと推測されました。
・出張旅費規程があり、その通りに運用がなされていること
・社用車の利用記録がキチンと記録されていること
・プライベートで使用する車と区別ができていること
結果的に認められはしましたが、それなりの条件の下で認められたものです。
経済合理性の有無が問われる以上、無条件に経費にできるというわけではないようです。
損得
では、社用車として高級車を購入した場合と大衆車を購入した場合、どれほどの違いが生じるのでしょうか。
案1では、私用車としてレクサスを、社用車としてプリウスを購入します。
案2では、社用車としてプリウスを、私用車としてレクサスを購入します。
購入価格はそれぞれ、差表のとおりとします。
車の単純な差額は15百万円で、6年間乗るとすると、1年当たり2.5百万円の違いです。
結果
それぞれの案で手取り額を最大化した結果が左表です。
車の単純な差額は1年当たり2.5百万円ですが、
減価償却による節税効果や役員報酬最適化調整により、手取り額の差額は緩和されます。
案は20年間ですので、1年当たり1百万円程度の違いです。
大衆車の代わりに高級車を乗ることの代償は、年間1百万円ということでしょうか。
仮にレクサスを否認されることとなれば、追加される税金は法人で年間102万円程度、個人で年間144万円程度、合わせて年間246万円です。
レクサスを事業で購入することが割に合うかどうかですが、期待値で考えてみますと比較しやすいです。
期待値は、金額と発生確率の掛け算です。
当事例での比較対象は、
①プリウスを事業用にしたときの損失(110万円)
②レクサスを社用車としたが否認されてしまった場合の損失(246万円)×否認確率
です。
計算してみますと、否認確率が110万円÷246万円≒45%であれば、イーブンな選択肢ですね。
否認される確率は、はっきりとは分かりません。
しかしながら、否認される確率が45%…。実感としていかがでしょうか。
上記判例を見る限りでは、もっと高い気がいたします。